2012年8月2日木曜日

採点は身を切られる思い

前期の試験がほぼ終わり(正確には明日あと3つ残っているが)、これから採点作業に入る。どこの教員も採点が地獄だの、つらいだのと言っている。たしかに履修者が100人を超えるような科目ばかり担当していたら、採点だけで何日もかかってしまうので地獄だろう。私の場合、人数はたかが知れている。数の問題ではなく、何が辛いのかといえば、自分ができるだろうと思って出題した問題なのに、学生ができないことが辛いのだ。
こういうこと書いてくる学生は毎年いる。
ちゃんと勉強しているのであればまだしも
全く授業に出てない学生だとかえって印象は悪くなる


毎回テストの採点の際には緊張する。あまりにできが悪すぎたり、誰も正解できない問題があったり、あるいはそもそも出題ミスがあったりするのではないかと心配だからだ。ビクビク緊張しながら、一枚一枚採点作業をすすめている。だから100点をとる学生が一人でも出ると、ほっとひと安心する。そう、おれが出した問題はとりあえず間違いではなかった。テスト範囲をもれなく学習していれば、100点を取ることはできるのだ、それが証明されるだけでもだいぶ気持ちが楽になる。

それならば誰もが100点を取れるような簡単な問題にすればいいのかもしれない。だが、それもまた危険だ。せっかく徹底的に勉強してきたのに、こんなつまらん問題しかでないのでは、やった甲斐がない。後期はもっと手を抜いてしまおう、そう考える学生が出てくるのも困るからだ。そして逆にあまりにも難しい問題を出しても、同様に学生たちはやる気を無くしてしまうだろう。

だからできれば、クラスで一番できる数人の学生が100点をとるが、残りの連中は、落第しない程度にそこそこ出来ればいいのではないかと思う。昨日試験をした大学は、全体的に真面目な学生が多いので、ちゃんと勉強してくれば8割〜9割は得点できる問題にしようと思っていたのだけど、学生たちの解答をざっくり見たところでは、けっこう和訳ができていなかった。覚えてなさそうな単語にもっとヒントを入れておけばよかった。バランスの良い問題を作るのはなかなか難しいものだ。

1 件のコメント:

  1. 追記:金曜日に教室で解答の様子を見ていると、今回は昨年よりやや難しかったのかもしれないと感じた。試験時間は50分で、30分経ったら退出可能となるのだが、ほとんどの学生が40分以上かかっていた。中には50分終わるまでずっと考え続けている子もいた。もうちょっとサクサク解ける問題にしとくべきだったかもしれない。

    でも本来試験って、勉強してればすぐできるし、してなければ全くできないというものではないか。学部時代の恩師T先生が作るテストは、いつも和訳10問、独訳10問という非常にシンプルな問題だった。穴埋めだの四択だのと小細工を弄するから、学生も本質的な学習をしなくなってしまうのではないか。テストのできというのは、そのまま教員に対する授業評価のようなものだ。だから勉強が不十分な学生がおおいのであれば、普段の授業のやり方から見なおさなければならないということだ。

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