2015年3月13日金曜日

お湯を飲む

先日自宅用に電気ケトルを買った。職場で使っているものと同じステンレス製で、ドリッパーでコーヒーを淹れるのに使えるものだ。一人暮らしの頃から、コーヒーメーカーは使わず(壊れたので)、ドリッパーを使っている。カフェバイトで学んだスキルを使えば、家の道具でもうまいコーヒーをいれることはできる。コーヒーやお茶だけなら自宅のキッチンにある妻の買ったオサレなケトルで十分だ。電気ケトルを購入した真の目的は、お湯を沸かし、そのまま飲むことだ。

 昨年研究室に入るときに、来客が訪れるだろうから、美味しいコーヒーでもてなしたいものだと思い、カップやポットと一緒に電気ケトルを購入した。結局その後一年、ほとんど客らしい客は来ていない。そもそも研究指導とかゼミとかないので、学生は来ないし、教員どうしもちょっとした用事なら、ドアを開けたままの立ち話で済んでしまう。ソファに座ってお茶を飲んだりするのは、非常勤を終えた後の妻くらいしかいない。

せっかく買ったケトルは自分一人で飲むためのコーヒーやお茶のために使っていたのだが、ある時から、毎日お湯を飲むようになった。直接のきっかけは、まとめサイトのこの記事だった。朝出勤してからお湯を沸かし、まず熱湯をゆっくり飲み、さらにぬるくなりつつあるお湯を何杯か飲む。これで仕事前の1,2時間で1リットル位の水分を取ることができる。この記事の筆者も指摘するように、私たちの多くは水分不足だ。夏は汗をかくし暑いから、水もお茶もたくさん飲むだろうが、冬になれば、ミネラルウォーターを飲むのも辛くなってくる。ところがお湯ならば、けっこうたくさん飲めるのだ。電気ケトルのいいところは、一度沸かしたお湯をある程度温かく保っておくことができる点だ。ガスでお湯をわかす場合には、しばらくすると冷たい水に戻ってしまうが、電気ケトルなら一時間位はぬるま湯を飲むことができる。また、ぬるま湯は、コーヒーや緑茶に比べて身体への負担が小さい。原稿を執筆しているときなど、コーヒーを飲み過ぎて気分が悪くなったことが何度かある。しかしお湯であればそういう心配はない。寒い時期には、温かいお湯を飲むことで、元気を取り戻すことができる。自宅でも電気ケトルは活躍している。食前、食後にお湯を飲むのが習慣になった。デイリーポータルZでも、飲み会でお湯を飲むという企画を随分前にやっていたが、お湯の良さに気づいたことが報告されている。

まだまだ寒いこの時期、元気に過ごしたいなら、まずはお湯を飲むことからはじめたい。