2013年5月7日火曜日

ドイツ人の名前


先日出た教科書(川村和宏・竹内拓史・押領司史生・松崎裕人・熊谷哲哉、『携帯&スマホでドイツ語』郁文堂―まだ試行版―)に書いたコラムでもとりあげたけど、ドイツ人の名前は、意外と学生たちに知られていないので、毎年春には名前クイズというのをやっている。

日頃ドイツ文学や映画に親しんでいる我々にとっては、Sabineが女性の名前だというのはすぐわかるけど、高校を出たての大学一年生にとっては男性か女性かわからないというのだ。考えてみればそうだ。彼らの周りには、ドイツ人なんてそうめったにいないし、知ってるドイツ人はせいぜいペーターやハイジやおじいさんくらいだろう。

高校生までに彼らが知るドイツ人の名前、たとえば世界史の教科書にでてくる、ルートヴィヒとかフリードリヒとかヴィルヘルムなんていう名前は、じっさいのところもう100年以上も前の古い名前だ。わりと近現代の偉人の名前、たとえばフランツ(カフカ)、ヘルマン(ヘッセ)、ヴァルター(ベンヤミン)、マルティン(ハイデガー)なんていうのも、やはりもう名付けられることは殆どない名前だ。

ドイツ人の名前にも、日本人の名前と同様、流行り廃りがある。教科書的な、あるいは文学史に載ってるような名前は、ずいぶん昔のはやりである。beliebte-vornamen.deというサイトを見ると、毎年ごとの人気ランキングが掲載されている。2012年に人気の名前は、男子はBenn, Luca, Paul, Lukas, Finn, Jonas, Leon, Luis, Maximilianなどが上位。女子はMia,Emma, Hannah, Lea, Sophia, Anna, Lena, Leonie, Linaなどが上位に入っている。これらの名前からわかるように、今の人気は、呼びやすくてドイツ語っぽくない(国際的に通用しそうな)名前だ。

beliebte-Vornamen.deで驚かされるのは、名前の人気を時代ごとにグラフ化していることだ。たとえば、男子一番人気のBenだったら、1987年に初めて上位200位に入って以来、2000年代まで上昇を続けて、2010年代以降はトップの座にあることが分かる。このグラフで興味深いのは、ドイツ語の名前にはかつて流行った名前がふたたび名付けられるということだ。たとえば2012年上位のMarieという名前は、19世紀末にはトップ10にあったが、その後1950年代から70年代あたりに人気が低迷したものの、90年代なかば以降
授業で使った名前クイズ
はふたたび上位に復帰している。こういう現象は他にもたくさん見られる。

さらに、よくわからないのが、名前の地域ごとの流行だ。たとえばMarioという名前は、70年代ごろまで人気だったというが、地図を見ると極端にDDR(旧東ドイツ)で多く名付けられていることが分かる。たしかにトーマス・ブルッスィヒのDDR小説『太陽通り』にもマーリオという友人が出てきていた。あの当時の東ドイツに、何か子供をマーリオと名付ける理由があったのだろうか?

ドイツ人の名前


先日出た教科書(川村和宏・竹内拓史・押領司史生・松崎裕人・熊谷哲哉、『携帯&スマホでドイツ語』郁文堂―まだ試行版―)に書いたコラムでもとりあげたけど、ドイツ人の名前は、意外と学生たちに知られていないので、毎年春には名前クイズというのをやっている。

日頃ドイツ文学や映画に親しんでいる我々にとっては、Sabineが女性の名前だというのはすぐわかるけど、高校を出たての大学一年生にとっては男性か女性かわからないというのだ。考えてみればそうだ。彼らの周りには、ドイツ人なんてそうめったにいないし、知ってるドイツ人はせいぜいペーターやハイジやおじいさんくらいだろう。

高校生までに彼らが知るドイツ人の名前、たとえば世界史の教科書にでてくる、ルートヴィヒとかフリードリヒとかヴィルヘルムなんていう名前は、じっさいのところもう100年以上も前の古い名前だ。わりと近現代の偉人の名前、たとえばフランツ(カフカ)、ヘルマン(ヘッセ)、ヴァルター(ベンヤミン)、マルティン(ハイデガー)なんていうのも、やはりもう名付けられることは殆どない名前だ。

ドイツ人の名前にも、日本人の名前と同様、流行り廃りがある。教科書的な、あるいは文学史に載ってるような名前は、ずいぶん昔のはやりである。beliebte-vornamen.deというサイトを見ると、毎年ごとの人気ランキングが掲載されている。2012年に人気の名前は、男子はBenn, Luca, Paul, Lukas, Finn, Jonas, Leon, Luis, Maximilianなどが上位。女子はMia,Emma, Hannah, Lea, Sophia, Anna, Lena, Leonie, Linaなどが上位に入っている。これらの名前からわかるように、今の人気は、呼びやすくてドイツ語っぽくない(国際的に通用しそうな)名前だ。

beliebte-Vornamen.deで驚かされるのは、名前の人気を時代ごとにグラフ化していることだ。たとえば、男子一番人気のBenだったら、1987年に初めて上位200位に入って以来、2000年代まで上昇を続けて、2010年代以降はトップの座にあることが分かる。このグラフで興味深いのは、ドイツ語の名前にはかつて流行った名前がふたたび名付けられるということだ。たとえば2012年上位のMarieという名前は、19世紀末にはトップ10にあったが、その後1950年代から70年代あたりに人気が低迷したものの、90年代なかば以降
授業で使った名前クイズ
はふたたび上位に復帰している。こういう現象は他にもたくさん見られる。

さらに、よくわからないのが、名前の地域ごとの流行だ。たとえばMarioという名前は、70年代ごろまで人気だったというが、地図を見ると極端にDDR(旧東ドイツ)で多く名付けられていることが分かる。たしかにトーマス・ブルッスィヒのDDR小説『太陽通り』にもマーリオという友人が出てきていた。あの当時の東ドイツに、何か子供をマーリオと名付ける理由があったのだろうか?

2013年5月6日月曜日

同じ授業を2コマ

同業者のみなさんにご意見をいただきたいのですが、同じ内容の授業を2コマする場合、同じ話なのに二回目の方が時間がかかってしまうことはありませんか?

昨年、今年と同じ内容の授業を2時間続けてしているのですが、どうしても二時間目のほうが、進度が遅くなってしまいます。これはどういうことなのでしょう?

昨年は、クラスの雰囲気や学生の質が原因だと思っていました。京大の場合、2時限の理学部より4時限の薬学部の方が進み方が遅いのは、薬学の子たちが、実験のあとに離れたキャンパスから来るので、遅くなるのは仕方がありませんでした。滋賀県大の場合は、三時限の看護学部はみんなよく勉強するけど、4時限の工学部は、男子ばかりでできが悪いから進みが遅いのだと思っていました。
でもよく考えると、京大の場合は、薬学部の学生の方が、理学部よりずっとちゃんと勉強してるので、問題練習もテストの解説もずっと早く終えることができるのです。県大のほうも、工学部クラスは静かなので、授業の進行はスムーズでした。では、何に時間がかかっているのか?それはやはり私の解説でしょう。一コマ目の授業を終え、説明がわかりにくかったところを修正し、早く飛ばしてしまったところをもうちょっと丁寧に、とやっているうちに、前回よりも進みは遅くなる、というわけです。

今日の1.2時限は、ほぼ同じような学生が相手だったのに、2時限のクラスは、10分くらい予定が遅れて、授業の最後にDVDを見せる時間が取れませんでした。

でも考えてみれば、二回目の授業なのだから、一回目に余計だったと思う話は削ってしまって、逆に時間を短くすることだって可能なはずです。そうはいっても、なかなかそれが実現できないのは、授業の間の5分や10分では、話す内容の改変なんて、簡単にはできないんだってことですね。

同じ授業を2コマ

同業者のみなさんにご意見をいただきたいのですが、同じ内容の授業を2コマする場合、同じ話なのに二回目の方が時間がかかってしまうことはありませんか?

昨年、今年と同じ内容の授業を2時間続けてしているのですが、どうしても二時間目のほうが、進度が遅くなってしまいます。これはどういうことなのでしょう?

昨年は、クラスの雰囲気や学生の質が原因だと思っていました。京大の場合、2時限の理学部より4時限の薬学部の方が進み方が遅いのは、薬学の子たちが、実験のあとに離れたキャンパスから来るので、遅くなるのは仕方がありませんでした。滋賀県大の場合は、三時限の看護学部はみんなよく勉強するけど、4時限の工学部は、男子ばかりでできが悪いから進みが遅いのだと思っていました。
でもよく考えると、京大の場合は、薬学部の学生の方が、理学部よりずっとちゃんと勉強してるので、問題練習もテストの解説もずっと早く終えることができるのです。県大のほうも、工学部クラスは静かなので、授業の進行はスムーズでした。では、何に時間がかかっているのか?それはやはり私の解説でしょう。一コマ目の授業を終え、説明がわかりにくかったところを修正し、早く飛ばしてしまったところをもうちょっと丁寧に、とやっているうちに、前回よりも進みは遅くなる、というわけです。

今日の1.2時限は、ほぼ同じような学生が相手だったのに、2時限のクラスは、10分くらい予定が遅れて、授業の最後にDVDを見せる時間が取れませんでした。

でも考えてみれば、二回目の授業なのだから、一回目に余計だったと思う話は削ってしまって、逆に時間を短くすることだって可能なはずです。そうはいっても、なかなかそれが実現できないのは、授業の間の5分や10分では、話す内容の改変なんて、簡単にはできないんだってことですね。

2013年5月3日金曜日

ドイツ語の辞書について


ドイツ語学習者におすすめの辞書とは、どういうものだろうか?毎年春学期のはじめには、辞書の話をしている。たいていは、書店に並んでいる学習辞典の中から代表的なものを挙げて、それぞれの長所/短所を紹介するだけなのだが、どれが一番いいのかを決めるのは、なかなか難しい。結局のところ本人の好みだし、使ってみたい辞書があるなら、一冊に決めずに何冊も持っておいてもいいと思うからだ。教科書や参考書と違って、辞書は最初から最後まで読まなければならないものではない。ちょっとずつつまみ食い的に読んでも、浮気をしてもかまわないのだ。そう思っているうちに、私自身も多くの辞書を買い込んできた。
今回は、自分が使ったことがあるドイツ語の辞書を一冊ずつ紹介する。以下に挙げる辞書は、最初のマイスター独和以外は全て今でも自宅と研究室に保管してある。自分で言うのもなんだけど、こんなに学習辞典ばかりもってる独文学者も(辞書作る仕事をしてるわけじゃないのに)なかなかいないだろう。今回は独和辞典を中心に、最後にドイツ語辞典(独独辞典)を挙げる。他にも当然、『不変化詞辞典』や『語源辞典』なども持っている(あまり使いこなせてないけど)。
以下、購入した順に紹介したい。(一部順番が違ってるところもあるだろうけど)

本棚にとりあえず手元にあるものを並べてみた
・マイスター独和辞典(大修館) 大学入学時に、最初に選んだ辞書。浪人時代、ジーニアス第2版をつかって、英語の勉強に没頭したので、辞書といえば大修館だろうと思い購入。当時から自動詞/他動詞の区別が明記されていないなどの批判があったけど、派生語(複合語)の説明が親切ですごく使いやすかった。大学3年以降は独和大辞典にエースの座を譲ったけど、学部の4年間気に入って使い続けてきた。ぼろぼろになってしまっていたので、大学院に入った頃に、ドイツ語を勉強したいという同級生に譲ってしまい今は手元にない。その後絶版となり、古書店か大学図書館くらいでしか見る機会がないのが残念。

・ハンディマイスター独和辞典(大修館)マイスターの小型版。ベルリンに短期留学をする際に購入し、その後も大学の授業用に持ち歩いていた。

・独和大辞典コンパクト版(第1版) 大学3年になり、夏休み頃にそろそろ大辞典を買ってみては、と勧められ後期から使い始めた。分厚くて字が小さいので、使い始めはなかなか慣れなかったが、この辞書を使いこなせるようになれば、きっとドイツ語の本がスラスラ読めるようになるだろうと希望に燃え、毎日の通学にも持って行っていた。しかしこの年の冬に、第二版が出る。

・独和大辞典コンパクト版(第2版)第二版の通常版が出て、しばらくはそれを買おうか迷っていた。もちろん大辞典の通常版は18,000円くらいするので、学部生がおいそれと買える値段ではない。もう無理かな―と諦めかけてたころに、コンパクト版が出たので、大学4年の秋ごろに購入。卒業論文を書く際には世話になった。大学院修士課程に進学後は、しばらくの間、自分の基礎学力不足から、勉強が全く手につかなくなるほどのスランプに陥った。当時は日本語で文学作品を味わうことはあっても、ドイツ語の辞書を開くことすらできなかった。だから大辞典第二版は、買ってしばらくのあいだはほとんど新品のようにきれいだったが、博士課程に進学後にようやく日の目を見るようになる。

・コンサイス独和辞典(三省堂)どういう理由で買ったのかは覚えていないが、大辞典を引くまでもない、ちょっとした調べ物によく使っていた。持ちやすい大きさと巻末の和独が気に入って、博士課程に進学した頃によく使っていた。

・デイリーコンサイス独和辞典(三省堂)コンサイスよりも更に小さく、和独はより充実しているので、論文のドイツ語要旨を書く際によく使った。まあ、和独辞典なんてものは、ドイツ語を書く上では参考程度にしかならないのだが。

・アポロン独和辞典(同学社)改訂のたびに、出版社が送ってくれる辞書。これまでは装幀がなんか苦手(銀色のカバーだった)で、敬遠していたが、2010年の第三版は愛用している。こだわりのある訳語、見やすいレイアウト、巻末の発音解説が非常に充実しているなど、学習用としてはとても使いやすいし、授業時にも学生への説明の参考によく使っている。

・木村・相良独和辞典新訂版(博友社)専門家はみんなもってるらしいので、ヤフオクで購入。古い本なので、レイアウトや文字は非常に見づらい。しかし、意外な訳語が見つかったりするので、翻訳をするときには大いに役に立った。

・フロイデ独和辞典(白水社)インターネットで辞書のレビューを読むと、評価が分かれている、あるいは評判があまりよくない辞書らしいので、あえて使ってみようと思い購入。白水社の辞書に共通したフォントと表紙になっている。細い文字がやや見づらいがなれると目にやさしく感じられる。編者はみな京都の人たち。ふだんお世話になっている先生がたが編集していると思うと親しみが湧く。

・独和中辞典(研究社)人が使っているのを見たことは一度もないが、ネットで調べるとそこそこ評価が高いようなので購入。中辞典というだけに、やはり厚さがある。巻末にかなりボリュームのある和独辞典が収録されている。古書で買ったためかもしれないが、表紙の手触りがあまりよくなくて(ビニールのカバーがべたべたしてる)ため、あまり使っていない。

・アクセス独和辞典(三修社)新入生にドイツ語を教えていると、彼らが持っている真新しい学習辞典がまぶしい。当然のことながら、自分が学んでいたころとはお店に売ってる辞書のラインナップは異なっている。彼らの持っているいま風の辞書を見て、ついつい買ってしまったのがこの一冊。三修社の参考書と同じような、はっきり・くっきりとした見やすいレイアウトがいい。途中に挿入されている見開き2ページくらいの文法解説が非常に親切。巻末に収録されている和独およびドイツ語フレーズ集は、会話で役に立つ定形表現が数多く載っている。唯一の欠点は、アポロン、クラウンなどライバルとなる学習辞典に比べて重さがあること。

・郁文堂独和辞典第二版 私のクラスではアクセスやアポロン、クラウンを新入生に進めているが、勤務校の何人かの先生は、買うべき辞書は郁文堂とはっきり指定している。そんなにいうほどいい辞書なのだろうか、と気になったので最近古本で買って使い始めた。この辞書は私が学生の頃から定評があったけど、どうしても灰色の表紙や、ページを開いた時の古そうなフォントを見ると、使う気になれなかったのだ。まだこの辞書の良さが十分にわかったわけじゃないが、たしかに語の説明はいい。

・岩波独和辞典(増補版)ネット上での評判を目にして、そういえば見たことがなかったので購入。木村相良と同じ、新書サイズなので、字が小さくやや読みづらい。古い文献を読むときには便利そうだが、例文は少ない。

(追記 2015年6月)去年買った辞書も紹介しておく。
・クラウン独和辞典(第5版) 電子辞書(EX-word2007年モデル)に第3版が入っていたため、紙の辞書としてのクラウン独和は長いこと持っていなかった。2014年に第5版が出たので購入。この辞書は、ほかの学習辞典に比べて判型が小ぶりで軽い。やや重いアクセス独和に比べると、本一冊分程度の重さの違いがある。電子辞書版を使っていた時には気付かなかったが、巻末の付録が大変充実している。発音や文法事項の解説などは、授業での説明の際に役立てられそう。

番外編 ドイツ語辞典
・Warig Wörterbuch der deutschen Sprache 二回目のドイツでの語学研修のさいに購入。ペーパーバック版でドイツの辞書にしてはとても軽いので、たいへん使いやすいのだが、たぶんあんまり使いこなしてない。見出し語が少ない辞書は、初級者にはやはり使いづらい。

・Langenscheidt Großwörterbuch Deutsch als Fremdsprache 日本のゲーテ・インスティトゥートにかよった際に、教室にいつもおいてあった辞書。もう大学院生になっていたので、外国人向けドイツ語辞書の文章くらいは分かったし、たいへん使いやすくて今でも愛用している。ペーパーバック版は紙が軽くて使いやすい。判型が小さかったらもっといいんだけど。

・Duden Deutsches Universalwörterbuch なんでも載ってる辞書が欲しいと思い購入。たしかに見出し語は非常に多い。bloggenとかgoogelnみたいな新語も収録されている。でもドイツ人も使う辞書なので、単語の説明は簡潔で、あまり親切ではない。本は重いし、3段組なので字も小さいが、文字がきれいなので気に入っている。

・Pons Kompaktwörterbuch Deutsch als Fremdsprache 先日ドレスデンに一ヶ月滞在した際に、日本から持ってきた電子辞書だけでは心もとないので購入した。緑色が好きなので、この辞書の表紙は気に入っている。硬いカバーだが、大きさは日本の辞書サイズ。やや厚めでコロコロコミックのよう。中身も見やすいレイアウトだが、見出し語が少ない。巻末の付録は、ドイツ生活のTipsとか、手紙の書き方など実用的な情報が多くて役に立ちそう。
追記 ふだんどの辞書を使っているか
ここまで書いてきて、自分がどの辞書を使っているかを書いていなかったことに気づいたので、それも書き足しておきたい。

1.独和大辞典 電子辞書版も含めて、やはりいちばん使用頻度が高いのはこの辞書です。

2.フロイデ独和 大辞典に比べてコンパクトで、でも内容的には充分なので、この辞書もいつも机の上に置いています。

3.郁文堂独和辞典 あまり使いやすくない辞書ですが、講読の授業の予習などでけっこうよく使っています。

4.Duden Deutsches Universalwörterbuch 大きなDudenの辞書ですが、ドイツ語の辞典だとなぜかこれを一番良く使います。収録語数がとりあえず多いからでしょうね。




ドイツ語の辞書について


ドイツ語学習者におすすめの辞書とは、どういうものだろうか?毎年春学期のはじめには、辞書の話をしている。たいていは、書店に並んでいる学習辞典の中から代表的なものを挙げて、それぞれの長所/短所を紹介するだけなのだが、どれが一番いいのかを決めるのは、なかなか難しい。結局のところ本人の好みだし、使ってみたい辞書があるなら、一冊に決めずに何冊も持っておいてもいいと思うからだ。教科書や参考書と違って、辞書は最初から最後まで読まなければならないものではない。ちょっとずつつまみ食い的に読んでも、浮気をしてもかまわないのだ。そう思っているうちに、私自身も多くの辞書を買い込んできた。
今回は、自分が使ったことがあるドイツ語の辞書を一冊ずつ紹介する。以下に挙げる辞書は、最初のマイスター独和以外は全て今でも自宅と研究室に保管してある。自分で言うのもなんだけど、こんなに学習辞典ばかりもってる独文学者も(辞書作る仕事をしてるわけじゃないのに)なかなかいないだろう。今回は独和辞典を中心に、最後にドイツ語辞典(独独辞典)を挙げる。他にも当然、『不変化詞辞典』や『語源辞典』なども持っている(あまり使いこなせてないけど)。
以下、購入した順に紹介したい。(一部順番が違ってるところもあるだろうけど)

本棚にとりあえず手元にあるものを並べてみた
・マイスター独和辞典(大修館) 大学入学時に、最初に選んだ辞書。浪人時代、ジーニアス第2版をつかって、英語の勉強に没頭したので、辞書といえば大修館だろうと思い購入。当時から自動詞/他動詞の区別が明記されていないなどの批判があったけど、派生語(複合語)の説明が親切ですごく使いやすかった。大学3年以降は独和大辞典にエースの座を譲ったけど、学部の4年間気に入って使い続けてきた。ぼろぼろになってしまっていたので、大学院に入った頃に、ドイツ語を勉強したいという同級生に譲ってしまい今は手元にない。その後絶版となり、古書店か大学図書館くらいでしか見る機会がないのが残念。

・ハンディマイスター独和辞典(大修館)マイスターの小型版。ベルリンに短期留学をする際に購入し、その後も大学の授業用に持ち歩いていた。

・独和大辞典コンパクト版(第1版) 大学3年になり、夏休み頃にそろそろ大辞典を買ってみては、と勧められ後期から使い始めた。分厚くて字が小さいので、使い始めはなかなか慣れなかったが、この辞書を使いこなせるようになれば、きっとドイツ語の本がスラスラ読めるようになるだろうと希望に燃え、毎日の通学にも持って行っていた。しかしこの年の冬に、第二版が出る。

・独和大辞典コンパクト版(第2版)第二版の通常版が出て、しばらくはそれを買おうか迷っていた。もちろん大辞典の通常版は18,000円くらいするので、学部生がおいそれと買える値段ではない。もう無理かな―と諦めかけてたころに、コンパクト版が出たので、大学4年の秋ごろに購入。卒業論文を書く際には世話になった。大学院修士課程に進学後は、しばらくの間、自分の基礎学力不足から、勉強が全く手につかなくなるほどのスランプに陥った。当時は日本語で文学作品を味わうことはあっても、ドイツ語の辞書を開くことすらできなかった。だから大辞典第二版は、買ってしばらくのあいだはほとんど新品のようにきれいだったが、博士課程に進学後にようやく日の目を見るようになる。

・コンサイス独和辞典(三省堂)どういう理由で買ったのかは覚えていないが、大辞典を引くまでもない、ちょっとした調べ物によく使っていた。持ちやすい大きさと巻末の和独が気に入って、博士課程に進学した頃によく使っていた。

・デイリーコンサイス独和辞典(三省堂)コンサイスよりも更に小さく、和独はより充実しているので、論文のドイツ語要旨を書く際によく使った。まあ、和独辞典なんてものは、ドイツ語を書く上では参考程度にしかならないのだが。

・アポロン独和辞典(同学社)改訂のたびに、出版社が送ってくれる辞書。これまでは装幀がなんか苦手(銀色のカバーだった)で、敬遠していたが、2010年の第三版は愛用している。こだわりのある訳語、見やすいレイアウト、巻末の発音解説が非常に充実しているなど、学習用としてはとても使いやすいし、授業時にも学生への説明の参考によく使っている。

・木村・相良独和辞典新訂版(博友社)専門家はみんなもってるらしいので、ヤフオクで購入。古い本なので、レイアウトや文字は非常に見づらい。しかし、意外な訳語が見つかったりするので、翻訳をするときには大いに役に立った。

・フロイデ独和辞典(白水社)インターネットで辞書のレビューを読むと、評価が分かれている、あるいは評判があまりよくない辞書らしいので、あえて使ってみようと思い購入。白水社の辞書に共通したフォントと表紙になっている。細い文字がやや見づらいがなれると目にやさしく感じられる。編者はみな京都の人たち。ふだんお世話になっている先生がたが編集していると思うと親しみが湧く。

・独和中辞典(研究社)人が使っているのを見たことは一度もないが、ネットで調べるとそこそこ評価が高いようなので購入。中辞典というだけに、やはり厚さがある。巻末にかなりボリュームのある和独辞典が収録されている。古書で買ったためかもしれないが、表紙の手触りがあまりよくなくて(ビニールのカバーがべたべたしてる)ため、あまり使っていない。

・アクセス独和辞典(三修社)新入生にドイツ語を教えていると、彼らが持っている真新しい学習辞典がまぶしい。当然のことながら、自分が学んでいたころとはお店に売ってる辞書のラインナップは異なっている。彼らの持っているいま風の辞書を見て、ついつい買ってしまったのがこの一冊。三修社の参考書と同じような、はっきり・くっきりとした見やすいレイアウトがいい。途中に挿入されている見開き2ページくらいの文法解説が非常に親切。巻末に収録されている和独およびドイツ語フレーズ集は、会話で役に立つ定形表現が数多く載っている。唯一の欠点は、アポロン、クラウンなどライバルとなる学習辞典に比べて重さがあること。

・郁文堂独和辞典第二版 私のクラスではアクセスやアポロン、クラウンを新入生に進めているが、勤務校の何人かの先生は、買うべき辞書は郁文堂とはっきり指定している。そんなにいうほどいい辞書なのだろうか、と気になったので最近古本で買って使い始めた。この辞書は私が学生の頃から定評があったけど、どうしても灰色の表紙や、ページを開いた時の古そうなフォントを見ると、使う気になれなかったのだ。まだこの辞書の良さが十分にわかったわけじゃないが、たしかに語の説明はいい。

・岩波独和辞典(増補版)ネット上での評判を目にして、そういえば見たことがなかったので購入。木村相良と同じ、新書サイズなので、字が小さくやや読みづらい。古い文献を読むときには便利そうだが、例文は少ない。

2013年4月13日土曜日

前期一週目が終了


専業非常勤講師になって、今年で2年目ですが、担当コマ数が一気に増えました。


仕事が増えるのは非常に有難いのですが、授業の準備がおいつかなかったり、体力が続かなくなったりするのではないかと少し心配でもあります。月曜日から新学期がスタートし、今週は10コマの授業を終えました。(月曜日の龍谷大学はまだ始まってなかったので、来週はさらに2コマ増えます)

授業がはじまると、体のいろんな部分に負担がかかります。まず第一はノド。
もともと声が大きい方ではないし、ひっきりなしにしゃべったりするのはむしろ嫌いなので、授業のように声を張って、一定時間しゃべり続けるというのは、苦しいものです。だいたい1日3コマの授業を終えると、ノドが痛くなります。人によってはマイクを使うという人もいるし、私も看護専門学校ではマイクを使ってきましたが、ドイツ語の非常勤を始めてからは、学生との距離感が近いほうが良かろうと思い、常にマイク無しで授業をしています。

ノドだけでなく、肩にも違和感があります。ジョギングをほぼ毎日しているので、基本的には肩こりはない(たまに、忙しい時期に睡眠不足になると痛みが出ます)のですが、今週はずっと右肩と右上腕がだるかったです。これはおそらく、久しぶりに板書をしたせいでしょう。第一回目なので、ドイツ語の例文や変化表をガリガリ書いたわけではありません。ほんのちょっと連絡事項を黒板に書いただけなのに、このだるさ。おそらく日頃あまりしない動作をしたために、ふだん使っていない二の腕のどこかの筋肉が張っているのでしょう。

私は幸いな事に、持病もないし、腰痛や肩こりもありません。めぐまれた体力と体質は、ほんとうに貴重な財産だと思います。今年は仕事だけじゃなく、研究にももっと一生懸命取り組みたいので、授業がない日には、体を動かしたり、お風呂にじっくりつかったり、疲労回復につとめたいところです。

ドイツ語IIではカフカとプラハについての
スライドを見せました。